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ろくろの技

山中漆器の特徴は「ろくろ」の技にあります。漆器が制作されるまでには、木地・下地・上塗・蒔絵の
四工程にそれぞれ7〜8年の修業でようやく一人前という職人さん達の技術の積み重ねによって作りあげられます。
輪島塗を始め多くの漆器産地がありますが、特に優れていると評価されている木地のろくろ挽きは、他
産地の追随を許さない高い技術・工法です。
欅や栃などの原木を、木材の歪みを防ぐために縦方向に木取りし十分に乾燥させるため、荒挽き・中挽きの工程で通常1年から3年の自然乾燥や煙り乾燥、蒸気乾燥の期間を経て仕上げ挽きしますが、中には5〜10年のものもあり一般の人には理解されにくい隠れた配慮がなされています。
縦木取りの場合は、原木のコスト高と横木取りに比し格段の高い技術が要求されますが、それだけに山中独特の縦木取りの木地として認められているもので、輪島など他産地の高級な椀などの木地に多く移出されております。
3ミリの間に十数本の細い線が挽かれている千筋や木目の間が透けて見える薄挽き、稲穂筋の文様、工夫された小道具による独特の技法とされる遊環香合や木・金・銀が施された象嵌の作品等々実にろくろの巧みな技を駆使したものです。
木目の美しさとろくろの技術を表現するために、木地に生漆を摺り込み・拭き取りの作業が5回から十数回も繰り返し仕上げる工程の「拭漆」製品は、山中のろくろ技術を表現する独特のものといえます。
近代漆器

歴史と風土に育まれてきた地場産業・山中漆器は、伝統的な木製漆器と近代漆器の二面があります。
昭和30年代に入り、石油化学の発達に伴い合成樹脂を素材とした成型技術が開発されるに及んで、漆器に応用する研究開発が行われ、塗漆技術から科学塗料の導入と蒔絵転写技術の開発等により、化学的な素材利用による近代漆器の分野が確立されました。
全国の漆器産業の中でいち早く導入した山中漆器産地は、生産工場団地を企画し昭和40年に山中町上原地区・加賀市別所地区の両団地が造成され、生産工程の機械化や集約された工業団地の完成により量産体制が整備されました。
折からのライフスタイルの変化に合わせ、実用的な食器類と生活空間におけるインテリア用品にいたるまで多種多様のものづくりが行われ、廉価で実用的との評価の中で、全国最大の年商額を誇る漆器産地に発展してまいりました。
産地の特徴としては、デザインとアイディア、機能性のある商品にあります。ブライダルギフト市場をターゲットに、造形・色・加飾等をトータルデザインを基本とした商品開発の中で、DCブランド製品、時計・オルゴール等の複合商品がヒット商品となりました。
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